遺産分割協議書の作成
遺言書のない相続では、相続人全員で遺産分割に関する話し合いを行う必要があります。この話し合いのことを遺産分割協議といいます。
遺産分割協議でまとまった内容を書面に起こしたものを遺産分割協議書といい、相続人全員の署名、実印による押印を行うことで遺産分割の内容が法的に有効となります。
遺産分割協議書の書式に関するルールはなく、手書きでもパソコンでも作成できますが、有効な書面として機能させるためには記載内容に注意して作成しなければなりません。
遺産分割協議書を作成する際の注意
遺産分割協議は相続人全員の参加が必須です。相続人が1人でも欠けていると、せっかくまとまった遺産分割協議は無効となってしまいます。
そのため、遺産分割協議を行う前に被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集して、相続人を確定させる必要があります。
財産の記載は正確に
遺産分割協議書には相続財産の記載が求められるため、対象となる財産に関する情報を正確に記載します。不動産の場合は登記簿の記載どおりの表記で行い、金融資産の場合は金融機関名、支店名および口座番号まで記載します。
遺産分割協議後に訂正をしたい場合は、該当する箇所に相続人全員の訂正印を押印します。
相続人全員の署名押印が必要
遺産分割協議書がまとまったら相続人全員で署名し、実印で押印します。遺産分割協議書が複数ページに渡る場合は、相続人全員の実印で契印を押します。
署名と押印を行うことで相続人全員が遺産分割協議書の内容に合意したとされ、また法的に有効な書類として扱われます。
遺産分割協議書の作成や不動産登記簿などといった相続手続きの多くは、実印で押印しているかどうかを確認する必要があるため、印鑑登録証書の添付が必須です。
なお、提出先によっては印鑑登録証明書の有効期限が設けられている場合があるため、事前に確認しておきましょう。